国鉄キハ40系気動車
1974(昭和49)年に開発されたキハ66系をベースに、基本構造は同系を踏襲。
酷寒地や海岸沿いでの使用を考慮して外板、屋根板、床板には車両用耐候性高張力鋼板(SPA)使用。
製造当初は全車が朱色5号と呼ばれる明るい朱色一色、一部地域で「首都圏色」と呼ばれる塗装で落成。
前頭部はキハ66系を踏襲し、高運転台化、運転室長さ拡大、前面の外板強化、床下前面にスカートを装着。
運転台窓は、側面部に回り込んだパノラミックウィンドウ。
前照灯は前面窓上にシールドビームが2灯、尾灯は在来形気動車よりも高い位置に2灯、それぞれ左右に振り分けて設置。
貫通路直上には列車種別表示器も設置。
側窓は酷寒地形を除き、外はめ式のアルミ合金製2段ユニット窓。
酷寒地形は小型の1段上昇窓で、FRP製窓枠による内窓を組み合わせた二重窓構造。
形式 運転台 客扉 番台区分 仕向け地 デッキ 便所 両数 製造年
キハ40形 片開き 100 酷寒地 150 1975-81
500 寒地 94 1975-81
2000 暖地 148 1978-81
キハ47形 両開き 0 暖地 193 1975-81
1000 134 1977-81
500 寒地 22 1977-79
1500 21
キハ48形 片開き 0 暖地・準寒地 6 1980-81
1000 4
300 酷寒地 4 1981
1300 3
500 寒地 59 1978-81
1500 50
寸法(mm) 0番台
全長 21,300
車体長 20,800
全幅 2,900
全高
軌間 1,067
重量(t)
重量 41.6
機関
種類 直6直噴DT
DMF15HSA
定格出力 220ps/1,600rpm
最大出力 250ps/2,000rpm
その他
営業最高速 120km/hr
定員 60人

キハ40形
本系列の主軸となる両運転台車。
両運転台の直後2か所に片開き扉を装備。
新製時は全車がトイレ付き。
番台区分は北海道向けの101-から開始。

100番台
 北海道向けの酷寒地向として1977年上期より製造。1982年までに150両(101-250)が製造。
 キハ40系では最初に就役したグループ。
 車体はデッキ付きで、1段上昇式の二重窓、トイレ、空気バネ台車を装備。
  1977年製の16両(101-116)
   角型水タンクキセ,客室の小窓の配置が両端,軸ばね式空気ばね台車(DT44・TR227)。
  1978年以降に製造された117 - 250
   水タンクキセ、座席配置と窓割り、外気導入ルーバー、スカート形状がキハ40形2000番台一次形車と同様。
   台車は乾式円筒案内式空気ばね台車のDT44A・TR227Aに変更。
 1988年に9両(141-149)がキハ400形に改造。残り全車も1990-95年にワンマン化のため700番台に改造。

500番台
 主に東北地方を対象とした寒地仕様車。1977年末-1982年に94両(501-594)が製造。
 デッキ付きで上段下降・下段上昇式のユニット窓と空気ばね台車を装備。
  初期に製作された501-520
   台車としてDT44・TR227を装備し、デッキが緑色系。
  521号車以降
   窓の配置や座席配置が変更され、台車はDT44A・TR227Aに変更。スカートの形状も変更。

2000番台
 関東以西の温暖地を対象とした一般仕様車。1979年-1982年に148両(2001-2148)が製造。
 窓は2段上昇式ユニット窓(500番台と比べて四隅に丸みがついておらず、車体よりやや引っ込んでいる)。
 デッキは装備されていない。キハ47形の「両運転台版」。台車は金属ばねのDT22D・TR51C。

撮影 1994/11
場所 高山駅
路線 高山本線
行先
名称
車両 キハ40-2130
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キハ48形
キハ40形と同等の車端部片開き2扉配置だが片運転台車。
トイレの有無により細かな番台区分がある。
トイレは運転台のない側の車端デッキ寄りに設置。
四国・九州向けの暖地仕様車は存在しない。

0・1000番台:1981-82年に少数が製造(1-6・1001-1004)。
 500・1500番台と同一車体・デッキ仕切り付きで金属ばね台車装備とした準寒地向け仕様車。
 上段下降・下段上昇式ユニット窓車。
 トイレ付きの0番台車は6両、トイレなしの1000番台車は4両で製作を終了。

300・1300番台:1982年にごく少数が製造。
 キハ40形100番台車同様の北海道向け酷寒地仕様車。
 デッキ付き、1段上昇式二重窓の車体構成はキハ46形に酷似。
 空気ばね台車を装備。
 トイレ付きの300番台車は4両(301-304)、トイレなしの1300番台車は3両(1301-1303)の製造。
 304と1300番台全車が1988年にキハ480形に改造。
 北海道で使用されていた301-303の3両は、2012年6月1日のダイヤ改正で、3両ともミャンマー国鉄に売却。

500・1500番台:1979-82年製造。
 キハ40形500番台車と同様の東北地方向け寒地仕様車。
 デッキ付き、上段下降・下段上昇式ユニット窓と空気ばね台車を装備。
 トイレ付きの500番台は59両(501-559)、トイレなしの1500番台は50両(1501-1550)が製造。

撮影 1994/11
場所 高山駅
路線 高山本線
行先 岐阜
名称
車両 キハ48-513
奥の車両は”キハ48-
1500番台”の可能性が高い。
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