蒸気機関車 7100形・7150形
1928年称号改正後のC形。
1908年(明治42年)に鉄道院が制定した、鉄道院形式称号では、
 ・1000~3999→C形タンク式機関車
 ・7000~8999→C形テンダー式機関車
例:2100形,8620形,C##形

7100・7150形は、
車軸配置:2-6-0(1C),動輪直径:914mm(3ft)の2気筒単式の飽和式テンダー機関車。
アメリカのH. K. ポーター社から輸入したものや、それを参考に国内生産されたもの。

7100形
7100形は、1880(明治13)年の北海道初の鉄道(官営幌内鉄道)開業にあたり、アメリカから輸入された蒸気機関車。
ピッツバーグのH. K. ポーター社で、合計8両が製造。
番号の他に歴史上の人物(北海道絡みが多い傾向)にちなんだ愛称を付されていることでも知られる。
1909(明治42)年に鉄道院の車両称号規程が制定され、7100形(7100-7107)に改められた。
製造年 番号 製造番号 愛称 7100形 廃車
1880年 1 368 義經(義経/よしつね) 7105 1923(大正12)年 1952(昭和27)年復元→
1990年交通科学博物館(大阪)
2 369 辨慶(弁慶/べんけい) 7101 1924(大正13)年 1940(昭和15)年復元→鉄道博物館
1882年 3 487 比羅夫(ひらふ) 7103 1922(大正11)年
4 488 光圀(みつくに) 7104 1923(大正12)年 高知鉄道に譲渡後解体
1884年 5 643 信廣(信広/のぶひろ) 7102 1923(大正12)年 1952年解体→7105に部品提供
1885年 6 672 しづか(静/しづか) 7106 1917(大正6)年 1952(昭和27)年復元→
1962年北海道鉄道記念館(小樽)
1889年 9→7 1009 (無名) 7107 1923(大正12)年
10→8 1010 (無名) 7100 1923(大正12)年 1952(昭和27)年に7106に部品提供後解体
車軸配置:2-6-0(1C),動輪直径:914mm(3ft)の2気筒単式の飽和式テンダー機関車。
典型的なアメリカ古典機スタイルで、前端梁に取り付けられたカウキャッチャー(牛よけ=排障器)や大型のダイヤモンドスタック(火の粉止め)を取り付けた煙突、大型の油灯式前照灯、第1缶胴上に設けられたベル、木製の運転室などが、特徴的。

撮影 1978/8/11
場所 小樽交通記念館
名称 しづか号
車両 7106
寸法
全長 12,173mm
全高 3,394mm
軌間 1,067mm
軸配置 2-6-0(1C)
動輪径 914mm(3ft)
機関車重量
運転整備 16.37t
空車 14.20t
動輪上 13.84t(整備)
最大軸重 4.84t(第1)
その他
弁装置 スチーブンソン式
アメリカ形
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7150形
7150形は、かつて日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道院(官設鉄道)に在籍した蒸気機関車。北海道炭礦鉄道が1895(明治28)年に自社の手宮工場で1両を製造し、1906(明治39)年に制定された鉄道国有法により、官設鉄道に編入されたもの。
日本における国産第2号機関車であり、現存する最古の国産機関車。
北海道炭礦鉄道の前身である官営幌内鉄道が、アメリカのH. K. ポーター社から輸入した車軸配置2-6-0(1C)形のテンダー機関車の形式イ(後の鉄道院7100形)の台枠や車輪など輸入予備部品を活用して自社工場で組立てたもの。
実質的に形式イと同形であるが、上部に曲線を用いてかまぼこ形となった運転台側窓などに独自の意匠。
1909(明治42)年8月に制定された鉄道院の車両形式称号規程で7150形(7150)となった。

撮影 1978/8/11
場所 小樽交通記念館
名称 大勝号
車両 7150
1947(昭和22)年に休車。
1954(昭和29)年に復元後、最終的に「北海道鉄道記念館」(現在の小樽市総合博物館)に移された。
寸法
全長 12,173mm
全高 3,394mm
軌間 1,067mm
軸配置 2-6-0(1C)
動輪径 914mm(3ft)
機関車重量
運転整備 15.867t
空車 13.96t
動輪上 10.93t(整備)
平均軸重 4.65t(Av)
その他
弁装置 スチーブンソン式
アメリカ形
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