ウスグロハコヨコクビガメ
Pelusios subniger
曲頸亜目ヨコクビガメ科
アフリカヨコクビガメ亜科ハコヨコクビガメ属
薄黒箱横首亀/East African black turtle
参考 110123 箱根園水族館9-4 by Ryo 素人が作ったお魚図鑑
水族館等:箱根園水族館9-4魚類以外(カメ)
ハコガメ属ならびにイシガメ科で最も広い分布域を持つ。甲高や腹甲に入る斑紋から4亜種に分けられる。しかし分布の境界や形態の差異が曖昧であることから、亜種の有効性を疑問視する説もある。
特徴: 最大甲長20cm。雄より雌の方が大型。背甲はやや盛り上がり、上から見ると中央よりやや後方で最も幅が広くなる卵型。背甲の色彩は灰色、緑褐色、褐色、黒と変異が大きい。背甲に斑紋はない。椎甲板は幅の方が広く、第1、5椎甲板に比べ第2-4椎甲板の方が小型。後部縁甲板は滑らか。腹甲は大型。蝶番より前の腹甲(前葉)は丸みを帯び、左右の腹甲板の継ぎ目の長さ(間腹甲板長)の2倍未満。腹甲板と股甲板の継ぎ目(シーム)で腹甲が大きく括れる。左右の肛甲板の間に深い切れこみが入る。腹甲の色彩は黄色や黄褐色。腹甲や背甲の腹甲の継ぎ目(橋)に暗色の斑紋が入る個体もいるが、斑紋が無かったり逆に大部分が斑紋で覆われほぼ黒い個体もおり変異が大きい。頭部は大型で厚みがある。吻端は突出せず、上顎の先端は凹まない。下顎にはやや大きい2本の髭状突起がある。幼体は第2-4椎甲板にあまり発達していない筋状の盛り上がり(キール)があるが、通常は成長に伴いキールは消失。雄は尾が太長く、雌は尾が細いうえに短い。
備考: 流れの緩やかな河川や湖、池沼、湿地、水田等に生息。主にサバンナの乾季でも水の枯れない水場に生息するが、少なくとも南アフリカ共和国の個体群は乾季に水が枯れる水場にも生息し、乾季に泥の中に潜り休眠する。またマダガスカルでは熱帯雨林内の水場に生息。
セーシェルウスグロハコヨコクビガメ ”Pelusios subniger parietails” 「Seychelles black turtle」
 分布: セーシェル(セーシェル諸島)固有亜種
 特徴: 背甲の色彩は暗褐色で、各甲板黒く縁取られることもある。左右の喉甲板間にある甲板(間喉甲板)は大型。頭頂部を覆う鱗(頭頂板)は細かく分かれる。
アフリカウスグロハコヨコクビガメ ”Pelusios subniger subniger” 「−」
 分布: コンゴ民主共和国南東部、ザンビア、ジンバブエ、タンザニア南部、ボツワナ北東部、マダガスカル東部、マラウイ、南アフリカ共和国北東部、モザンビーク
 特徴: 背甲の色彩変異は大きい。間喉甲板は中型。頭頂板は大型。