アカギツネ
Vulpes vulpes
ネコ目(食肉目)イヌ亜目クマ下目イタチ小目
イタチ科アナグマ亜科キツネ族キツネ属
赤狐/Red fox, Silver fox
素人が作ったお魚図鑑
分布: 地上性の食肉目の中で最も広く、北アメリカからユーラシア、さらに一部は北アフリカに及ぶ。そのため、アカギツネは数多くの亜種を持つ。
日本列島近傍では、北海道・樺太にキタキツネ (Vulpes vulpes schrencki) 、列島のそれ以外の地域にホンドギツネ (Vulpes vulpes japonica) という亜種が、それぞれ棲息。千島列島には、ベニキツネ (red fox, silever fox, cross fox, 学名 Vulpes vulpes splendidissima) 、クロキツネなどの亜種も分布。
さらにオーストラリアに移入され、在来の固有動物の捕食者などとして、深刻な環境破壊を引き起こしている。また、世界各地でエキノコックス症の原因となる単包条虫や多包条虫の宿主として影響を与えている。
インドには3亜種が分布し、モンタナアカギツネ(Vulpes vulpes Montana)はラダックとヒマラヤ山脈、グリフィスアカギツネ (Vulpes vulpes griffithi) はラダック地区を除くジャンムー・カシミール、シロアシギツネ (Vulpes vulpes pusilla) はラージャスターンのタール砂漠とグジャラートのカッチに生息。
日本には、他のキツネ属の動物は自然分布しないため、日本語で単に「キツネ」というときは、通常アカギツネを指す。英語でもイギリスとアイルランドでは、他の野生のイヌ科動物が棲息しないため、アカギツネが単にFox と呼ばれる。
亜種: Vulpes vulpes abietorum
Vulpes vulpes aegyptiaca(エジプトアカギツネ)
Vulpes vulpes alascensis
Vulpes vulpes alpherakyi(トランスコーカサスアカギツネ)
Vulpes vulpes alticola(アルメニアアカギツネ)
Vulpes vulpes anatolica(ショウアジアアカギツネ)
Vulpes vulpes arabica(アラビアアカギツネ)
Vulpes vulpes atlantica(アトラスアカギツネ)
Vulpes vulpes barbara(バーバリアアカギツネ)
Vulpes vulpes beringiana(ツンドラアカギツネ)
Vulpes vulpes cascadensis
Vulpes vulpes caucasica(コーカサスアカギツネ)
Vulpes vulpes crucigera(チューリンガーアカギツネ)
Vulpes vulpes daurica(ドーリアンアカギツネ)
Vulpes vulpes diluta(ヒガシヨーロッパアカギツネ)
Vulpes vulpes dolichocrania(ウスリアカギツネ)
Vulpes vulpes dorsalis
Vulpes vulpes flavescens
Vulpes vulpes fulva(アメリカアカギツネ)
Vulpes vulpes fulvus(ギンギツネ)
Vulpes vulpes griffithi(グリフィスアカギツネ)
Vulpes vulpes harrimani
Vulpes vulpes hoole(フーキェンアカギツネ)
Vulpes vulpes ichnusae(サルジニアアカギツネ)
Vulpes vulpes induta(キプロスアカギツネ)
Vulpes vulpes jakutensis(ヤクートアカギツネ)
Vulpes vulpes japonica(ホンドギツネ)
Vulpes vulpes karagan(カラハンアカギツネ)
Vulpes vulpes kenaiensis
Vulpes vulpes krimeamontana(クリミアヤマアカギツネ)
Vulpes vulpes kurdistanica(ニシコーカサスアカギツネ)
Vulpes vulpes macroura
Vulpes vulpes montana(モンタナアカギツネ)
Vulpes vulpes necator
Vulpes vulpes ochroxanta(テンシャンアカギツネ)
Vulpes vulpes palaestina(パレスチナアカギツネ)
Vulpes vulpes peculiosa(コウライアカギツネ)
Vulpes vulpes pusilla(シロアシギツネ)
Vulpes vulpes regalis
Vulpes vulpes rubricosa
Vulpes vulpes schrencki(キタキツネ)
Vulpes vulpes septentrionalis(ノルウェーアカギツネ)
Vulpes vulpes silacea(スペインアカギツネ)
Vulpes vulpes splendidissima (ベニキツネ)
Vulpes vulpes stepensis(ステップアカギツネ)
Vulpes vulpes topolica(トボリスクアカギツネ)
Vulpes vulpes tschiliensis(マンシュウアカギツネ)
Vulpes vulpes vulpecula
Vulpes vulpes vulpes(アカギツネ)
Vulpes vulpes waddelli
特徴: 体長45.5-86.5cm、尾長30-56cm。体色は普通、赤錆色で腹側は白く、黒い耳の先端と足、フサフサした尾の先端の白が目立つ。赤の度合いは真紅から金色と幅があり、実際によく見てみると、各々の個体の毛は赤、茶色、黒、白の条の入った斑模様かアグーチ。
野生においては、さらに別の2つの色が見られることもある。一つは銀または黒で、野生の個体の10%、養殖される個体のほとんどを占める。およそ30%の個体には、さらに黒い模様があり、通常は肩と背部の中央下側に、縞として現われる。このパターンは背中に十字架を作るため、このようなキツネは「十字ギツネ」と呼ばれる。家畜化された養殖のアカギツネには、斑や縞などを含むあらゆる色がみられる。
目は金から黄で、ネコ科動物のような縦に裂けた瞳を持つ。その素早さもあり、アカギツネは「猫のようなイヌ科」と形容される。長いフサフサとした尾は、身軽な跳躍の際にバランスをとるのに役立つ。獲物を捕えたり捕食者から逃れたりするための走る速度は時速50kmに及ぶ。
成獣の体重は2.7-6.8kgになるが、地域により異なり、ヨーロッパの個体は北アメリカの個体より大きくなる。
秋と冬には、より厚い毛皮である「冬毛」を生やし、寒冷な環境に対応。春が始まるとこの毛皮は抜け落ち、夏場は短い「夏毛」で過ごす。
日本に生息するホンドギツネとキタキツネを比較すると、ホンドギツネの方が毛色がより暗褐色で体長がやや小さい。足先が黒くなく、キタキツネが大陸のアカギツネと同じ頭骨を持つのに対し、ホンドギツネの頭骨は微妙に異なることや、キタキツネの乳頭が8または6個であるのに対し、ホンドギツネは10または8個と多いことから、亜種ではなく日本固有の新種である可能性もある。
備考: 大草原や低木地から森林まで、アカギツネは多様な生物群系で見られる。低緯度地域に最も適しているが、極北にまで進出し、ツンドラ地域ではホッキョクギツネと直接競争関係にある。欧米では郊外や都市部でさえ見かけることができ、害獣であるアライグマと縄張りを共有。アカギツネは齧歯類・ウサギ・昆虫類・果実・ミミズ・卵・鳥類、その他小動物を食べる。42本の強力な歯でそれらを捕らえ、1日0.5-1kgの食物を摂取。都市区域でも庭や荒地で齧歯類や鳥を狩ることはあるが、主に家庭のゴミに頼っていると思われる。稀にホッキョクギツネの子供を狩る場合もある。
ホンドギツネ
Vulpes vulpes japonica
イタチ科アナグマ亜科キツネ族キツネ属アカギツネ亜種
本土狐/Japanese Red fox
参考 181119 よこはま動物園ズーラシア 日本の山里 by Ryo
参考 181119 よこはま動物園ズーラシア 日本の山里 by Ryo
分布: 本州、九州、四国。四国では少ない。
特徴: 頭胴長52-76cm、尾長26-42cm、体重4-7kg。体色は赤みがかった黄色でいわゆる「きつね色」。腹部、頬、尾の先は白い。尾は他の動物に比べて毛がふさふさとしているので太く見え、長い。尾の基部の上面に黒い斑があり、そこには尾上腺(尾腺)と呼ばれる腺がある。毛皮が美しいので、服飾品に使用されることがある。北海道に生息するキタキツネよりやや小さく、四肢の足首の部分が黒くなっていない点で異なる。頭骨も微妙に異なり、乳頭も2個多いため、アカギツネとは別の新種ではないかとも言われている。
備考: 食性は季節や生息環境により変化。肉食の傾向の強い雑食性であり、主にネズミ類、鳥類、昆虫類などを捕食するが果物など植物質のものも食べる。狩りをする時は、決まったルートを通り獲物を単独 で探す。里山から高山までの森林に住み、森林に接する草原や農耕地に出てくることもある。人里に近い所では、畑のトウモロコシを荒らしたり、家畜のニワトリを襲ったり、人家のゴミを漁ったりすることがある。開発とタヌキや野犬の繁殖の影響で、急速に数を減している。
普段は縄張りを守って行動するが、交尾期の12月から2月ごろのみは互いの縄張りを侵す。ニホンアナグマが掘った古い巣を利用することもあるが、日当たりの良い林や草原などに巣穴を作ることが知られているが、この巣穴は通常、子育てのみに利用され、その他の期間は、一時的な避難場所として使われることはあっても、一年中使われるわけではない。巣穴の直径は25-30cmで、入り口はたくさん作られ複雑な構造となっている。巣穴は親子代々で引き継がれていき、年々拡張され、巣穴の長さは30m以上になることもある。
水族
館等:
よこはま動物園ズーラシア 日本の山里