2006/5/5(金) 泥地は宝箱!!
(1本目 セブ島オスロブ セルティックフロスト)
リロアン

No 器具 温度[℃] 時間 水深[m] 環境 透明度
[m]
タンク スーツ 気温 水面 水中 entry exit 潜水 平均 最大 Boat 天気
0340 Al12 5W 32   28 08:17 09:20 63 14.0 32.9 A S 8

ポイントの状況
天気は快晴。波もうねりも流れもまったく無し、最高の条件。泥底のため巻き上げ注意。
聞くところでは、初めは「こんなとこなんかいるのかよ」と潜ってみたら、な、なんと、宝の山が・・・。

メンバー Junichi/Ryoの2人。 

水深33m、泥を巻き上げないように・・・ 集団暴走行為?
(センネンダイyg)
究極のセキュリティー?
(ヒカリイシモチ属)
(Blue-barred ribon goby) (ベルベットウミウシ)

ボートは水深5mのアンカーに固定、泥底の海を一気に潜り進む。水深33m、いたいた、お目当ての”Blue-barred ribon goby”。タンザクハゼの一種で、ペアで行動する。海底は細かい泥、巻き上げないようジリジリ近づく。1m程まで寄り、斜め後方からのこのショットが精一杯。そろそろダイコンが許してくれそうに無い、今回はこれで良しとしよう。うわさによると、セブでは水深7m程でも見られるところがあるというから驚きだ。最後に、目の前に居た”ベルベットウミウシ”のペアもしっかり撮って浮上開始。
泥傾斜をゆっくり上昇、水深15m程に”ガンガゼ”のコロニーがある。”ヒカリイシモチ属の一種”にとっては、見事なセキュリティー完備の住居だ。”センネンダイ”の若魚が群れを成して間を泳ぎまわる。こいつらは”ガンガゼ”が平気なのか?それとも度胸試しの集団暴走行為?。そういえば、若魚だけに色がかなり濃い。このどす黒い赤が、大きくなると延びてきれいな赤になるのか・・・。
 
かなり神経質
(ダスキーガーデンイール)
お気に入りの場所?
(ウナギギンポ)
ミスジじゃ無いの?
(
Black-banded demoiselle)
非常に分かりにくい
(トゲダルマガレイ)

隣のかなり傾斜地に”ダスキーガーデンイール”のコロニー。実はネグロス島で見られる”ブラックガーデンイール(manythoothed garden eel)[Heteroconger perissodon]”のことだと思う。そっくりな写真がネットで見つかってるんだ。似たようなのに”Heteroconger enigmaticus”があるけど、これはバリでの写真が見つかり、少し形が違うようだ。以前からバリのものとセブのものを混同していたけど、どうやら違う種類みたいだね。
ところで、この系統のやつらはもう少し平らなところで、流れがある場所に群れているような気がするんだが・・・。警戒心がかなり強そう、あまり近寄らせてくれない。それに比べ、こっちの管から顔を出す”ウナギギンポ”、同じ顔を出すんでも、こっちはかなり愛嬌がある。普通はちょっかいを出すと引っ込むのだが・・・、「わ、驚いた」、なんと一気に飛び出してきた。ガルーダ曰く、毎回飛び出してくれるそうだ。それでもいつも戻っているそうで、かなりお気に入りの場所らしい。
以前から胸鰭や尾鰭が黄色いミスジスズメダイのようなのには何回か遭遇していた。色々調べても中々行き当たらなかったが、今回判明、”ブラックバンディッドデモイゼル”。分類上ルリスズメダイ属のミスジスズメダイとは別の属になっている。砂地の上を泳ぎまわることといい、こんなに似ているのにね?。分かりにくいといえば、カレイ目。ただでさえ似た形のくせに、保護色の上に泥をかぶって写真写りも最悪。これは眼が大きいから”トゲダルマガレイ”だね
 
黒斑が見えぬのか?
(ニュウドウダテハゼ)
地味なのは難しい
(ヤジリハゼ?)
まだ名無し
(ヤツシハゼ属の一種)
ピンボケ〜
(ミズタマハゼ)
 
泥地といえばやっぱりハゼ。浅場では”ケショウハゼ”がそこら中に。ついつい当たり前にいすぎて、初遭遇だということすら忘れ、まともに写真を撮ってない。大失態。ということで写真は次ページに譲り、他のを紹介。まずは、背鰭の黒斑がシンボルの”ニュウドウダテハゼ”。次は、え〜っと、こういう地味なのは区別が付きにくいんだよね、”ヤジリハゼ”かな?。次は以前からたまに出ていた”ヤツシハゼ属の一種”。まだ名前は付いていないようだ。そして右端は”ミズタマハゼ”。あまり変わって見えなかったので、ついこれ一枚しか撮らなかった。ピンボケだし暗いし、またまた失敗。何でも撮っておくに限るね。
 
似て非なるもの
(ミナミウシノシタ)
やっぱり撮っちゃう
(ダンダラトラギス)
もう少し出てきて!
(ニシキフウライウオ)
セホシテンジクダイ?
(
Moluccan cardinalfish)
 
浅瀬の泥には海草の草原(?)が広がる。またまたカレイ目、ダルマガレイをいくら調べても出てこない。それもそのはず、”ミナミウシノシタ”、分類が違うじゃん。これまでにも出て来ているのに中々気がつかなかった、駄目じゃん!。草原(?)の上をオレンジ色の糸が流れてる、”ダイダイオオメワラスボ”だ。昔は”オレンジラインドワームゴビー”と言っていた記憶がある。ただでさえ泳いでるし細いし、どんどん遠ざかって行っちゃたので、写真はマイクロ。
ボートのアンカーの根元にあるタイヤは、ちょっとした漁礁。”スカシテンジクダイ”を初めとするテンジクダイ系がいろいろ群れる。中でも目新しいのは背中に白点を持つ”Moluccen cardinalfish”。白点は同じでも白い筋の入り方がかなり違うのが居る(図鑑参照)。また後で出てくるが、”Apogon monospilus”と混同されているようにも思われる。さらには、インドネシア方面で見られる”セホシテンジクダイ(Apogon ventrifasciatus)”との区別も微妙。ネットで調べたところ、両方とも別々に存在するが、写真は同じものが使われているし・・・。
最後は”ニシキフウライウオ”。伊豆でも毎年お目にかかるが、去年は黒潮の大蛇行のせいか1匹も見られなかった。大体、黒か赤が主流で、こういう茶色っぽいのはこっちでしか見ないな〜。”スカシテンジクダイ”といえば、星の話があったっけ、どれどれ、やっぱりあるよね・・・(分かる人にしか分からない会話でごめんなさい、旅行記をずっと読んでれば分かるかも)。

今回のお魚
ニュウドウダテハゼ/Blue-barred ribon goby/ベルベットウミウシ/サカサクラゲの一種ダスキーガーデンイールヤジリハゼブラックバンディッドデモイゼル/トゲダルマガレイ/スジハゼ属の一種/ヤツシハゼ属の一種/センネンダイ(yg)/ヒカリイシモチ属の一種ウナギギンポケショウハゼダイダイオオメワラスボ/ミナミウシノシタ/ミズタマハゼ/アトヒキテンジクダイダマシ/Moluccan cardinalfish/ニシキフウライウオ/ミナミアカエソ/スカシテンジクダイ