国鉄60系客車とは、日本国有鉄道(国鉄)が1949(昭和24)年から木造客車を改造して鋼製客車とした客車の形式群。 このグループを総称する形で鋼体化改造車とも呼ばれる。 木造客車の老朽化や費用面、安全性改善のため、木造車の改造名目で安価に鋼製客車を製造する「鋼体化」と呼ばれる手法が取り上げられ、鋼製の車体のみを新製。 他の制式鋼製客車などとの区別のために60番台の形式を付され、後年になって便宜上、60系客車と呼ばれる。 そのほとんどは三等車もしくは荷物車・合造車として製造。 1949-56(昭和31)年の間に、全国の国鉄工場および主要な民間車両メーカーのほとんどで製作。 1.オハ60系:狭窓形三等車(鋼体化改造が始まった初期に改造されたグループ。木造車時代の窓割を継承。) 2.オハ61系:本州以南向け広窓形三等車(窓幅が1mとなり、近代的な外観となった。) 3.オハ62系:北海道向け広窓形三等車(オハ61系の北海道向けとして鋼体化改造されたグループ。) 4.通勤型改造車:オハ63形,オハ64形 5.優等車(グリーン車):スロ60形,スロ61形→スロ50形,オロ61形→スロ62形・オロフ61形→スロフ62形,オハフ80形→オロフ80形,スロ81形・スロフ81形 6.座席郵便荷物合造車:オハユ61形 ,オハユニ61形 ,スハユニ62形 ,オハユニ63形 ,オハユニ63形 ,スハニ61形→オハニ61形 ,スハニ62形 ,オハニ63形→オハニ36・スハニ37形 ,スハニ64形 7.郵便・荷物車:オユ60形,オユ61形,スユニ60形,スユニ61形,マニ36形 ,マニ37形 ,マニ60形,マニ61形 8.事業用車:オヤ33形(53-56) ,オヤ60形(1-5),オヤ61形(1,2,2021),スヤ61形(2001),オヤ62形(1,2),オヤ90形(1,2),オル60形(1),オエ36形(1-3),オエ61形(1-39,41-101,306,601),939-202 |
オハ60系 | オハ61系 | オハ62系 | 通勤型改造車 | 優等車 | 座席郵便荷物合造車 | 郵便・荷物車 | 事業用車 |
車両形式番号 -旧国鉄、JR関係(四国を除く)の客車- | |||||||
個々の客車を表す記号番号 ・積車重量を1文字目とし、その後に用途を表す記号を付ける。 |
固定編成の呼び方 ・2桁の数字で形式を表す。 |
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積車重量 (ボギー客車に限る) |
用途 (「緩急車」は、末尾に「フ」を付加) |
第1の数字 | 第2の数字 | ||||
コ | 22.5トン未満 | ロ | 1等車(→グリーン車) | 1: | 軽量客車 | 0-7: | 2軸ボギー車 |
ホ | 22.5トン以上27.5トン未満 | ハ | 2等車(→普通車) | 2: | 固定編成客車 | 8,9: | 3軸ボギー車 |
ナ | 27.5トン以上32.5トン未満 | ネ | 寝台車(1等:ロネ2等:ハネ) | 3-5: | 一般型客車 | ||
オ | 32.5トン以上37.5トン未満 | シ | 食堂車 | 6: | 鋼体化客車 | ||
ス | 37.5トン以上42.5トン未満 | ユ | 郵便車 | 7: | 戦災復旧客車 | ||
マ | 42.5トン以上47.5トン未満 | ニ | 荷物車 | 8: | 和式客車 | ||
カ | 47.5トン以上 | ヤ | 職用車 | 9: | 特殊客車 | ||
ル | 配給車 | ||||||
ヌ | 暖房車 | ||||||
エ | 救援車 |