ヤギ
Capra hircus
鯨偶蹄目鯨反芻亜目ウシ亜目真反芻小目
ウシ上科ウシ科ヤギ亜科ヤギ族ヤギ属
山羊/Domestic Goat
分布: ユーラシア大陸からアフリカ大陸にかけて広く分布。
特徴: 体高80cm前後。野生種は角をもつ。
備考: 一般的にはベゾアールまたはパサンと呼ばれるノヤギ「 Wild Goat,”Capra aegagrus”」を家畜化した種。現在、山羊の品種は500種以上と言われている。
尾はやや長く、尾の下面基部は体毛で被われない裸出部と臭腺がある。
雌雄共に鎌状の角があり、一部がカーブする種もいる。角基部の断面は三角形や四角形。眼下部(眼下腺)や後肢内側基部(鼠蹊腺)、蹄の間(蹄間腺)に臭腺がない。涙骨には窪みがない。
オスは下顎に髭状の体毛が伸長。メスは角がより小型で、角の表面が滑らか。乳頭の数は2個。
全体的に高くて狭い場所、特に山岳地帯の岩場等を好む種が多く、人間がロッククライミングをしないと登れないような急な崖においても、ヤギは登ることができる。
家畜として大昔から飼育され、用途により乳用種、毛用種、肉用種、乳肉兼用種などに分化し、その品種は数百種類に及ぶ。ヤギは粗食によく耐え、険しい地形も苦としない。特にヒツジと比べると乾燥に強いため、西アジアの乾燥地帯では重要な家畜であり、その毛がテントの布地などに使われる。ヤギの乳質はウシに近く、乳量はヒツジよりも多い。
品種: 代表的な品種
ザーネン種 スイス西部のザーネン谷原産の乳用種。毛色は白で、乳房が発達。日本のヤギのほとんどはこの種もしくはその雑種。(日本ザーネン)雌雄共に角がないものも見られ無角が遺伝子的に優性でこの無角遺伝子と間性は深い関わりがうかがえる。
トッケンブルグ種 スイス原産の乳用種。毛色は褐色。目の上から鼻にかけて2本の白線があり、これはオリジナル3種の幼獣には全て見られる。雌はそのまま成長し、雄の白線は消失。この特徴は狭義のスイスマークとして知られ、アルパイン種、ヌビアン種、ピグミー種などの有色山羊にまま見られる。
アルパイン種 スイス・フランスのアルプス地方原産、ヨーロッパ、北アメリカなど世界各地で飼養。ブリティッシュおよびフレンチ・アルパインが代表的だが、近年アメリカン・アルパインが作出。同種の乳器改良により、乳牛用搾乳機の利用が可能。
ヌビアン種 アフリカ東部ヌビア地方原産、アフリカ、ヨーロッパなどで飼養。ヌビアンにはアングロ・ヌビアンとスーダン・ヌビアンがいるが、通常ヌビアンというのは前者のことを指す。毛色は黒、褐あるいは黄褐を基調としてそれぞれの斑紋など多様。無角で長い垂れ耳の山羊の代表種、乳量が600-800 kgと言う文献もあり周年繁殖種としては出色で詳しい情報が待たれる。
マンバー種 中東の砂漠地帯で遊牧民などに飼われる。毛色は黒。毛をテントやロープの材料として用いるほか、乳を食用。
カシミア種 中国の新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区、モンゴル国で飼育。産毛はカシミアウールとしてニット製品。
アンゴラ種 トルコ、アナトリア半島のアンカラ(古称アンゴラ)地方原産。毛はモヘア織りの原料。
ジャムナバリ種 インド、東南アジアで飼育される。白地に褐色や黒の斑点。耳が垂れ、盛り上がった鼻筋が特徴。食肉用や乳用。
小型の品種
シバヤギ 体重20-30kgの小型のヤギ。長崎県西岸や五島列島で昔から飼育されていたものから、明治以降に品種改良を進めて作出。周年繁殖が可能。雌雄ともに角があり、オスの方が角が太くより後方に伸びる。近年、飼育頭数が減り、現在は東京大学農学部付属牧場、農林水産省畜産試験場、同省長野牧場などで小さな集団が維持されているのみ。トカラ列島の鹿児島県十島村で飼育されていたトカラヤギは、シバヤギよりさらに小さく、成雌で20 kg以下。
ピグミーゴート 北アフリカ西部原産小型のヤギ。最初にヨーロッパに持ち込まれ、次いでアメリカに渡りミルクの搾れるペット山羊として人気があり、この地でピグミーゴートと呼ばれだしたと考えられる。愛好会による品評会が盛んなためか、インナーブリードによると思われる特異な個体(反転スイスマーク個体、体の前と後ろで色が異なる個体)が散見され、同時に交雑が進んでいる。
元来ピグミーゴートはオリジナルのベゾアールに一番近い形体が残っていたと思われ、純粋に近い両親からは全て同じ柄(体色に濃淡の変化はあるが全身にスイスマーク)の子供が生まれ、メスはそのまま成獣となりオスは一年から二年で全く別の体色の成獣となる。
一部によくシバヤギやトカラヤギと体重、体高を比較されるが、普通は一回り大きい。しかしヤギの体重はほとんど一生増え続け、比較にあまり意味はない。
030815 沖縄粟国島(日本ザーネン種) by Ryo 素人が作ったお魚図鑑
日本ザーネン
ヨーロッパから輸入したザーネンと日本在来種との交配により日本で作出。
被毛は白色で、一般的に無角で肉髯を持つが、有角や肉髯を持たないものも見られる。
121126 インドネシアバリ島トランバンサピ(ジャムナパリ種) by Ryo
ジャムナパリ Jamnapari
インド原産で、インド,東南アジアに広く分布。
被毛は黒色、白色、黄褐色あるいはそれぞれのまだらなど多様。有角で耳は長く垂れており、30cmにも達し、鼻面が凸隆。
参考 181119 よこはま動物園ZOORASIA アフリカのサバンナ by Ryo
参考 181119 よこはま動物園ZOORASIA アフリカのサバンナ by Ryo
ピグミーゴート
分布: 北アフリカ西部。
特徴: 体長:オス70cm、メス60cm。体重:オス35kg、メス20kg。アフリカの家畜ヤギ。股が短く、体が小さいことが特徴。粗食に耐える。
水族
館等:
よこはま動物園ズーラシア アフリカのサバンナ
160325 東武動物公園2-3 どきどきストリート1−3(カンガルー/ヤギ)
ヤギ
水族
館等:
東武動物公園2-3 どきどきストリート1-3