ヤブイヌ
Speothos venaticus
ネコ目(食肉目)イヌ亜目イヌ下目
イヌ科イヌ亜科イヌ族ヤブイヌ属
藪犬/Bush dog
参考 181119 よこはま動物園ZOORASIA アマゾンの密林 by Ryo 素人が作ったお魚図鑑
参考 181119 よこはま動物園ZOORASIA アマゾンの密林 by Ryo
分布: アルゼンチン北東部、コロンビア、ガイアナ、スリナム、パナマ東部、パラグアイ、ブラジル、仏領ギアナ、ベネズエラ、ペルー東部、ボリビア東部。
特徴: 体長57-75cm。尾長11-15cm。肩高30cm。体重4-7kg。体型は頑丈。鼻面は短く、幅広。全身は短い体毛で粗く被われる。体色は暗褐色。頭部や頸部は黄褐色、腹面や四肢・尾は黒。
耳介は小型で、丸みを帯びる。歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上下8本、大臼歯が上顎2本、下顎4本と計38本。盲腸は捻じれない。四肢は短く、藪の中を移動したり泳ぐのに適していると考えられている。指趾の間には水かきがあり、指趾の肉球が繋がる。乳頭の数は8個。
備考: 川辺林や林縁・湿度の高いサバンナなどに生息し、水辺を好む。昼間も夜間も活動。一方で狩猟圧の強い地域では夜間に活動。ペアもしくはその幼獣からなる小規模な群れを形成。頻繁に鳴き声を交わしあい、見通しの悪い下生えの中でも連絡を取り合うことで群れを維持していると考えられている。逆立ちして放尿(メスは後肢を木などに立てかける)して臭いつけ(マーキング)を行う。メスの方がマーキングの頻度が高くペアを形成したときに特に回数が増加することから、マーキングがペアの形成や維持に役立っていると考えられている。アルマジロやアリクイの古巣・木の根元・岩の隙間などを巣穴にする。水中を泳いだり潜ることができる。
アグーチ属Dasyprocta・カピバラ・パカ類などの齧歯類・アルマジロ科・クビワペッカリー・アメリカバク・マザマ属Mazamaなどの哺乳類、レア・シギダチョウ科などの鳥類などを食べる。群れで狩りを行う。飼育下での寿命は13年4か月の例がある。
撮影: よこはま動物園ズーラシア アマゾンの密林
亜種: ヤブイヌ属は化石種"Speothos pacivorus"のみからなる属として1839年に記載されたが、後に現生する本種が発見。属名"Speothos"は「洞窟のオオカミ」の意だが、化石の模式標本に由来するため現生する本種は洞窟には生息しない。現生のイヌ科では最も原始的な種と考えられていた。形態からコミミイヌ属と近縁とする説もあった。現生種ではタテガミオオカミ属と単系統群を形成すると推定。
2005年現在では3亜種に分ける説もある。以下の分類・分布はBeisiegel & Zuercher(2005)に従う。
Speothos venaticus venaticus エクアドル東部、ガイアナ、パラグアイ北部、ブラジル中部、ベネズエラ南部、ペルー北東部、ボリビア東部
Speothos venaticus panamensis 南アメリカ大陸北西部。模式産地はパナマ。
Speothos venaticus wingei ブラジル南東部。模式産地はサンタカタリーナ州(ブラジル)。
181119 よこはま動物園ZOORASIA アマゾンの密林