ホッキョクグマ
Ursus maritimus
ネコ(食肉)目イヌ亜目クマ下目クマ小目
クマ上科クマ科クマ亜科クマ属
樋熊,羆,緋熊/Polar Bear
参考 181119 よこはま動物園ズーラシア 亜寒帯の森 by Ryo 素人が作ったお魚図鑑
参考 181119 よこはま動物園ズーラシア 亜寒帯の森 by Ryo
備考: ホッキョクグマは分岐分類学的にヒグマに極めて近い。ホッキョクグマとヒグマは、氷期だった約15万2,000年前に共通の祖先から枝分かれ。そのため互いに交配し、生殖能力のある子孫を残せることが判明しており、野生下でも稀にこのような個体の存在が確認。昨今では温暖化の影響もあり、北上してきたヒグマと陸地に上がってきたホッキョクグマの生息域が重なり「ハイブリッド」と呼ばれるヒグマとホッキョクグマの交配種が確認。ハイブリッドは体毛はホッキョクグマのように白いが、盛り上がった肩と土を掘るための湾曲した長い爪などヒグマの特徴を強く受け継ぐ。
生態: 冬季には流氷の南下に伴い南へ、夏季には北へ移動。1日あたり70kmを移動することもあり、年あたり1,120kmの距離を移動した例もある。地域によっては直射日光、天候、外敵から逃れるための風通しの良い巣穴を作る。流氷の間を数時間にわたって泳いだり、時速6.5kmの速度で約65kmの距離を泳ぐことができる。
雑食獣であるクマの中で最も肉食性が強い種であり、ヒグマに比べ歯がより特殊変化。アザラシ(主にワモンアザラシ、次いでアゴヒゲアザラシ。時にズキンアザラシやタテゴトアザラシも捕食)を主食とするほか、魚類、鳥類やその卵、イッカクやシロイルカなどの哺乳類、クジラ等の動物の死骸に加え、氷の溶ける季節には植物(コンブ、スゲ、イチゴ等)も食べる。アザラシを捕食する際は、優れた嗅覚で匂いを察知し、氷を掘って巣穴にいる個体を襲う、氷上にある呼吸用の穴や流氷の縁で待ち伏せる、氷上にいる個体に忍び寄るなどの方法を取る。学習能力は高い。
181119 よこはま動物園ZOORASIA

分布: 北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部、北極圏。流氷水域、海岸などに生息。
特徴: 体長:オス200-250cm、メス180-200cm。体重:オス400-600kg(最大800kg)、メス200-350kg(妊娠時500kg)。生息地によっても大きさに違いがあり、ロシアのチュクチ海に生息する個体群が最も大型化する傾向。近年は地球温暖化の影響で小型化が進んでおり、1984年から2009年までの25年間で、オスの平均体重が45kg、メスの平均体重が31kgも減少。
他種のクマと比較すると頭部は小さいが、長い頸部を持つ。体は大きくても耳が小さいため体勢は寒冷地に適応。吻端と足裏の肉球を除いた全身が体毛で被われる。夏季は汚れや油脂の酸化などにより毛衣が黄がかる個体もいる。前述の長い首や流線型で小さな頭は遊泳への適応結果とされ、何時間も氷海を泳ぐ事が可能。また流氷に乗って長距離移動することもある。クマの中では視力は良いほう。
全身が白い体毛に覆われているように見えるため、シロクマ(白熊)とも呼ばれる。多くの哺乳類の体毛がたとえ白色であっても光を透過しないのに対し、ホッキョクグマの体毛は光を透過し、内部が空洞になった特殊な構造のために、散乱光によって白く輝いて見える。ホッキョクグマの透明の体毛は陽光の通過を妨げず奥にある皮膚にまで届き熱をもたらす。もたらされた熱はぶ厚い脂肪層と体毛に保護され、容易に失われることはない。それに加え体毛内の空洞も蓄熱の役割を果たすという巧みな保温機構を成立。体温が殆ど外に逃げないため、体から輻射される赤外線の量が非常に少ない。この特性から、赤外線カメラによる空中撮影の際は雪の反射光に遮られる為、ほぼその姿を捉えられないことが知られている。なお、動物園などに飼育されている個体の場合、体毛の空洞に汚れが入り込むことで黄色っぽく変色したり、ときには空洞内に藻が発生し緑みがかかった色になってしまうことがある。この状態を俗に「ミドリグマ」ともいう。
水族
館等:
よこはま動物園ズーラシア 亜寒帯の森